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アンダーグラウンド (講談社文庫) 価格: 1,090円 レビュー評価:4.5 レビュー数:66 事件の様子が一人一人の証言で生々しく説明してありました。
これが実際に起こったことだと思うと、本当に恐ろしい。
軽率ですが、事件当時、私はまだ中学生。地方に住む私には東京のラッシュアワーの地下鉄がどんなものかもわかっていなかったと思います。
恐ろしい事件だったとは記憶にありますが、ほとんど「ひとごと」だったのかも
しれません。
今回大人になって、東京の通勤ラッシュも経験してみて
あの日に起こったことがどんなに凄まじいことだったのかがわかりました。
時に涙を流しながら読みました。
自イ |
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) 価格: 540円 レビュー評価:4.5 レビュー数:89 村上春樹の作品の中で、一番切ない物語だと思う。
登場人物にもクセがなく、あの独特の雰囲気もない。
ただひとつ、村上作品を通して流れている「生と死」というテーマをもっとも濃厚に感じることが出来る作品。
12歳で通う中学が離れて以降、心残りはあっても、一度も顔を合わすことがなかったハジメと島本さん。
ハジメはそれなりの学生生活を送り、教科書出版会社でサラリーマンとして働く。
しかし、心の中はいつもぽっかりと穴が開いていた。
それは、
彼のそばに島本さんがいなかったから。
彼は、結局のとこ |
冬の夢 価格: 1,890円 レビュー評価:4.0 レビュー数:2 フィッツの若き日の作品群。
懐かしさを超えた古き米国の出来事。
村上さんの翻訳を経て、みずみずしく蘇った。
じっくりと読み返したい作品群だ。 |
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1973年のピンボール (講談社文庫) 価格: 420円 レビュー評価:4.0 レビュー数:31 「風の歌を聴け」に続く青春3部作の2作目。
村上春樹の小説は、最近の著作を読んで再び初期に戻ると、いつも新たな発見がある。
今回の「1973年のピンボール」には「直子」と「双子」が登場する。
直子は「ノルウェーの森」、そして「双子」は「ねじまき鳥クロニクル」に登場する。
そして今回の物語で、鼠と僕は同じ時代を生きながら、最後まで会わず、言葉も交わさない。
それぞれが、それぞれの人生を淡々と歩んでいく。
そう、まさしく淡々と。
この「僕」と「鼠」が交わらないまま並行的に進行していくストーリー形態は「世界の終わり |
翻訳夜話 (文春新書) 価格: 777円 レビュー評価: 4.5 レビュー数:29 東京大学の柴田教室と翻訳学校の生徒、さらに6人の中堅翻訳家という、異なる聴衆(参加者)に向けて行った3回のフォーラムの記録。「夜話」とあるように、話の内容はいずれも肩の凝らない翻訳談義だが、レベルの異なった参加者との質疑応答の形をとっているために、回答内容は自ずから微妙に変奏されており、結果として入門、初級、中上級向けの3部構成の翻訳指南書に仕上がっている。 柴田が書いたあとがきに、「翻訳の神様から見れば、我々はすべてアマチュアなのだ」とあるように、両者の回答は、体系化された技術・翻訳論議に向かうのではなく、翻訳を行う際の、動機や心構えを説明することに費やされている。例えば「大事なのは偏 |
神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫) 価格: 460円 レビュー評価:4.5 レビュー数:52 村上春樹の短編集。
いくつかの独立した物語を集めたものですが、どの作品にも「阪神大震災」っていう共通項がある。
村上春樹の短編は、多分、初めて読みましたが、物語の細部の描写や登場人物の心持ちをじっくりと吟味しながら楽しめました。
なぜなら長編と違い、集中力が持続したままで読み終えることができる。
例えば、超長編の第1巻を5分の4くらいまで読んでいて、それが寝る時間の夜12時くらいだったとしても、読み切ってしまいたい性格です。
ストーリーに飲み込まれた感情移入した状態で読んでしまいたいし、結末を早く知りたい。
そうすると、 |
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