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もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫) 価格: 500円 レビュー評価:4.5 レビュー数:43 お酒を飲むときには蘊蓄より目の前のそれに対する
イメージを大切にしたほうが、(私は)おいしく感じる。
特にウィスキーは、裏っかわに潜む世界の「奥行き」が
他のお酒と比してもだいぶ深い気がする。
無人島を想起させる豊かな野原、大海、風、灰色の雲、透き通った水、
真っ白な蒸留所、職人の少し頑固で、額に汗を滲ませた真剣な顔つき・・
島に訪れたことのない私にはどれも空想の世界だけど、
確かにそこには様々な想像世界が広がってくる。
きっと、この本を読めば、ウィスキー |
ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫) 価格: 580円 レビュー評価:5.0 レビュー数:17 この話、全然終らない。
でも実はこの作品、94年に第2巻まで発売され、2巻のエンドロールには「続」ではなく、「完」が記されていた。つまり、2巻完結の長編小説として世に送り出されたわけだ。
ところが翌年の夏に、予期せぬ形で第3部が刊行された。
「予期せぬ形で」とは言っても、第2部を読了した今思うことは「えっ?これで終わり?謎だらけなんですけどー」って感じだし、続編が刊行されてることは何の違和感もない。
この謎だらけの物語がどう収束するのか、僕は期待に胸を膨らませ、第3部に移る。
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ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) 価格: 540円 レビュー評価:4.5 レビュー数:69 良い小説は、目次を眺めているだけでも面白い。『ねじまき鳥クロニクル』(の目次)は最高の小説だ。
最初僕は、これは村上春樹はじめての詩集だと思っていたけど、やがてそれは間違いだと気がついた。だって『ねじまき鳥クロニクル』(の目次)にはプロットがあって、伏線があって、キャラクターがあって、文体があるからね。これは紛れもない小説なんだ。
たとえば第2部15章《正しい名前、夏の朝にサラダオイルをかけて焼かれたもの、不正確なメタファー》なんて、ことあるごとに口ずさみたくなるし、第3部の冒頭でいきなり《笹原メイの視点》だなんて、カッコ良すぎて思わず文庫本を置いて部屋の中をうろつい |
マジカル・ミステリー~トリビュート・セロニアス・モンク&村上春樹~ 価格: 2,800円 レビュー評価:2.0 レビュー数:1 ギターという楽器&ジャズ・ギターの魅力を再確認~ 北川拓の記念すべき初リーダー・アルバム~ この作品に出会って、まずそのギターの音色の美しさに感動した。そして、あくまでも自然に、流麗に漂うようなメロディが心を打つ。 1965年に東京・高円寺で生まれ、12歳でギターを始め、15歳より「メイト音楽院」にて小塚泰氏に師事。21歳で同校の講師となり、その頃から演奏活動を始めたという北川拓。ギターを始めた頃はフォーク~ビートルズに熱中し、本格的に演奏活動を始めるとラリー・カールトン~ジョー・パス等に傾倒していったという。その後、ビ・バップの呪縛に捕らわれ方向性を見失うも、「ギ |
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風の歌を聴け (講談社文庫) 価格: 400円 レビュー評価:4.5 レビュー数:86 この本を初めて読んだのは高校生だったと思う。
この本を読んで、ビールを飲みながらサンドウィッチを食べるのがとても格好いいことだと思ったのだった。
そして、そんなことはとっくに忘れていたけど、今でもビールを飲みながらサンドウィッチを食べることが格好良いことだと思っている私がいる。
25年前の刷り込み。
これといってドラマティックなストーリーが展開するわけでもなく、心震わせるエピソードが語られるわけではない。
それなのに、彼の癖のある独特な文体がひきつけて離さなかった。
それは今でも変わらない。
地元に帰った大学 |
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) 価格: 740円 レビュー評価:4.5 レビュー数:60 妻がひとことの理由も言わず家出するという夫への精神的「暴力」、男が女を犯す「暴力」、子供が子供をいじめるという弱い者からさらに弱い者へと向かう「暴力」、終局的には殺人に繋がる戦争の中の「暴力」、傷つけられた者がバットを持って立ち上がる正義の意味合いを帯びた「暴力」、そして正義側の人物の心底にもある、人を思い切りこらしめてやりたいという本能的「暴力」……。
本作では、現代で考えうるかぎりの、ありとあらゆる暴力が描かれる。種々雑多な暴力をストーリー的につなぐキーワードが、前作『ノルウェーの森』にも描かれた「井戸」だ。主人公の「ぼく」は、空き家となった近所の家の庭に空井戸 |
翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書) 価格: 777円 レビュー評価:4.5 レビュー数:19 あぁ、おもしろい!読んでよかった!「キャッチャーインザライ」読んだ人は、絶対、読んだほうがいいですよ!おもしろい!
1冊丸ごと「サリンジャー&キャッチャーインザライ」について、書かれた本です(笑)
小説家・村上春樹と東京大学教授・柴田元幸による、2度にわたる対談と、2人の「あとがき」が、本書の内容です。これで、この価格は、、、お買い得☆
村上春樹の「キャッチャー」に対する熱い思いが、伝わってきます。
「簡単な言葉で、深い真実を語るんだ、というサリンジャーの姿勢が、キャッチャーインザライとい |
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